相見積もりをしても、施工内容や金額が似通っていてどの業者を選べばいいか悩んでいる場合は、業者の所有資格を1つの基準として判断することをオススメします。
塗装業は、資格がなくても塗装工事を請け負うことができますが、資格の取得には、塗装技術だけではなく知識など、塗装に関してのノウハウが必要になります。そのため、資格の有無は、その業者が提案している施工内容と知識の信憑性、施工技術の高さ、社会的信用度などを確認する簡単な物差しになります。
資格には国家資格から民間資格があります。また、講習を受ければ得られる資格や、実技と学科試験を合格して得られる資格と様々です。中でも「塗装技能士」と「建設業許可」を所有している業者は施工の信頼度が高いといえます。
資格種類:国家資格
認定団体:厚生労働省
技術や知識の高さを証明する資格です。1級~3級の等級があり、1級を受検するには、実務経験が7年以上必要です。合格率は約50%前後です。
資格種類: -
認定団体:都道府県知事、国土交通省
塗装工事業を営むにあたり、特別な許可や資格は必要ありませんが、施工金額が500万円以上の施工を請け負う場合は、建設業の許可が必要になります。
この許可を取得するためには、下記の条件を満たす必要があります。
1.建設業の経営について管理責任者(塗装工事業務に関する経験が5年以上)がいる。
2.営業所ごとに常勤する専任技術者(実務経験、または資格を有する者)がいる。
3.請負契約に関して、不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者でない。
4.自己資本や、資金調達力が500万円以上ある。
5.過去一定期間に、虚偽の報告や法律に違反したことがない。
このような厳しい条件を満たす必要があるので、許可証を所有している業者は、信頼度が高いと言えます。営業所が1つの都道府県の区域内にある場合は知事の許可、営業所が2つ以上の都道府県にまたがっている場合は大臣の許可が必要です。
資格種類:国家資格
認定団体:厚生労働省
つり足場、張出し足場、高さ5メートル以上の構造の足場の組立て、足場の解体・変更作業ができることを証明する資格です。
資格種類:国家資格
認定団体:厚生労働省
ラッカーやシンナーなどの有機溶剤を取り扱い作業ができることを証明する資格です。労働安全衛生法によって定められている資格のため、塗装業では必要不可欠な資格です。
資格種類:国家資格
認定団体:国土交通省
建築工事の管理能力が証明される資格です。施工計画、品質・工程・安全管理などに重点を置き、施工を指揮、監督します。1級~2級の等級があり、1級は高層ビルなどの大規模工事、2級は戸建てなどの中小規模の工事を取り扱うことができます。
資格種類:国家資格
認定団体:厚生労働省
アスベストを含む建材・塗膜を処理できることを証明する資格です。周囲にアスベストが飛散しないように作業方法を決定し、作業員への指揮・監督を行うことができます。
資格種類:国家資格
認定団体:都道府県知事
油性塗料は引火する危険性があるため、ある一定以上の塗料を保有する際に必要になる資格です。
資格種類:民間資格
認定団体:一般社団法人 木造住宅塗装リフォーム協会
窯業サイディングの歴史から製造方法、品質確保のための知識と施工技術を修得したことを証明する資格です。
資格種類:民間資格
認定団体:一般社団法人 全国住宅外壁診断士協会
外壁が持つ性能やメンテナンス方法を知識として習得したことを証明する資格です。
資格種類:民間資格
認定団体:東京商工会議所
色の性質、特製などの知識を身につけたことを証明する資格です。外壁屋根を塗装する際の色選びに的確なアドバイスをしてくれます。
資格種類:民間資格
認定団体:NPO法人 雨漏り診断士協会
雨漏りの原因の究明や修理の専門知識を持つことを証明する資格です。
資格種類:民間資格
認定団体:一般社団法人 住宅保全推進協会
施主様に住宅の診断結果と、それに対して的確な提案をおこなえることを証明する資格です。
資格がなくても、施工知識や技術が高い業者もいます。また、資格はあっても実際の施工は下請けに回すなどもあります。そのため、資格の有無の確認は、あくまでも業者を選ぶ1つの判断材料に留め、業者の人柄や対応、見積書の記載内容が詳細かなど、他の項目でも業者を比較しましょう。