前回までの説明で、ご自宅にどんな外壁塗装がふさわしいか、何となくイメージして頂けているでしょうか?ここまできて「よし、ウチも外壁塗装に取りかかろう!」と思われたなら、次はプロの意見を聞く段階です。早速業者を選定して、ご自宅の状況を診断してもらい、見積もりを作ってもらいましょう。
このとき最初から一つの業者に絞るべきか、複数の業者に見積もりを出してもらうかは悩むところだと思います。ただ外壁塗装は、悪質な業者が知識のない一般ユーザーに高額な請求をすると言ったトラブルが多いのも事実です。以下の表は、独立行政法人 国民生活センターが公表している訪問販売によるリフォーム工事のトラブル相談件数です。
年度 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 |
相談件数(件) | 6,358 | 5,503 | 5,317 | 5,777 | 6,047 | 4,410 |
この表を見ても分かるように、訪問販売の営業マンにだけ見積もりを依頼するのは危険です。できればインターネットを使い複数の業者に見積もりを依頼して、検討するようにしましょう。詳しくは、失敗しない外壁塗装業者選びとは?を参考に。
実際に見積もりを取ったら、以下の部分をチェックしましょう。
この見積もりは、決まった形式があるわけではなく、「外壁塗装一式」と言った形で価格だけが記載されているものもあれば、状況に応じて細かく項目立てされているものまで様々です。「一式」で詳細を見せない業者は不親切だと断じてしまうこともできますが、お客様が悩まないようにシンプルに書いているだけで、尋ねれば細かく答えてくれる職人気質の塗装業者もあります。どんなタイプの見積もりであっても自分が納得いくまで内容を確認するのがやはり基本なのです。
複数の見積もりを取ったときに一番気になるのが価格差でしょう。ご自宅の状況を診断してもらった段階で、どの塗料をどれくらい必要と考えるか。どの程度の手間がかかる案件かで、業者が見積もってくる価格が違ってくるはずです。安くても3度塗りが必要な部分を2度塗りにしてしまったり、20缶必要なはずの塗料を薄めて16缶で作業してしまったりとコストにあわせて手を抜く方法はいくらでもあります。その逆もありますから、高ければ安心という訳でももちろんありません。
あなた自身が塗装に対する基礎知識を持っていることが業者選びを失敗しないカギになります。少しでも判断のヒントになるよう今後の記事にもぜひ注目してください。
>> Vol.05 外壁塗装の工程を知っておこう!
日本で最初に洋式ペイントが用いられたのは1845年。ペリーが来日し、滞在のための洋館建設が行われた際に使用されました。まだ日本では塗料と言えば漆と柿渋という時代ですからその多彩な色使いに、江戸の人々が驚嘆したのは言うまでもありません。その後洋式ペイントは1860年頃から主にイギリスから輸入が開始されました。近代日本の創世となる船舶、鉄橋、機関車、建築等に幅広く用いられ、日本の西洋化が一気に進むこととなったのです。